エルマリート 90mm ・・・始動
MNG
— YU From ライカのある生活 (@leicaphoto1985) February 5, 2022
Elmarit M90mm F2.8 を衝動買いしました。
M型でも、遠景撮りたいときがあって、もどかしかったので、初の90mm画角です。
90mmスナップも良いですね〜(^^)#Leica pic.twitter.com/55Y2OwMW7c
ツイッターのタイムラインでは、すでに投稿していましたので、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、こちらのサイトの方でもご報告。
Elmarit 90mm F2.8を導入しました。
今回僕が購入したのは、フード内蔵、6bitなしのモデルです。

Elmarit 90mm F2.8について軽くご紹介しておくと、エルマリート90mmシリーズは既にディスコンになっており、現行モデルというのは存在しないんです。現在はズマリットに置き換えられ、開放値もF2.4と明るくなっているのです。最近まで存在したエルマリート90mmは、デジタルライカのM8が2006年に登場して以降の6bit搭載のものですが、今回僕が購入したのは、その1つ前の世代。2000年前後のフィルム最後の時代に出た6bit非搭載のフード内蔵モデルとなります。
自分史上、初となる90mm
90mmのレンズを導入したのは初めてなのです。
過去にテレエルマーの135mm F4というレンズは所有していたことはあったのですが、レンジファインダーは「35mmと、50mm」というイメージが強く、それでいて撮れないものは撮らない、という勝手なこだわりがあり、いままで避けておりました。
しかしながら、かの有名なライカM3も、90mmブライトフレームが出てくることですし、90mmのスナップも気になる。そろそろ中望遠に挑戦したいな、という意識が強くなってきて、今回の購入に至ったというわけです。
また、外観の作りの美しさも、購入のきっかけでした。
まさにジャケ買い状態です。
Elmarit 90mm F2.8のレンズ鏡胴は、とても美しい

レンズ鏡胴の作り。
いかがでしょう。いかにも現行のライカの作りをしています。見た目は、Summilux M50mm F1.4 ASPH.そっくりです。
ズミルックスとの比較も載せておきます。

ご覧ください。
左がズミルックス。右がエルマリートです。
もちろん描写には差はあるものの、鏡胴の美しさであれば、どちらのレンズも遜色ありません。両者の値段には3倍近くの開きがあります(中古相場)。また、現行のズマリットより、明らかに鏡胴が美しいです。これは完全な好みですが。
90mmの中では、お求めやすい価格帯
90mmの焦点距離ラインナップを見てみると、ズミルックス、アポズミクロン、ズミクロン、ズマリットと、名だたる盟友が展開される激戦区です。35mm、50mm、90mmがライカ三種の神器といわれた時代もあったくらいで、お値段もおおよそ30万円前後という価格帯です。ズミルックスに関してはなんと100万超えです。
しかしながら、単焦点90mmという焦点距離は、出番の数だけで比べたら35mm、50mmには及ばないわけで。そこに30万円を投下するのはなかなか勇気のいる決断だと思います。これが中々90mmを決断できない理由でした。
その点、今回僕が購入したエルマリート90mmは、他の90mmライカレンズと比較するとお求めやすい値段で取引されています。しかも現行ライカの外観の美しさを持ち合わせているというのも嬉しいポイント。90mmという焦点距離に挑戦するには、軽い気持ちで飛び込みやすいレンズ、というわけなんですね。
また、よりオールドレンズ描写や外観がお好みであれば、テレエルマリート 90mm F2.8や、Elmar L90mm F4もおすすめです。更にお安く手に入れられると思います。
購入時に、懸念だった唯一のこと
そんなお手軽に始められる中望遠エルマリート90mmですが、購入前に不安だったことが1つありました。
レンジファインダーの望遠系レンズでよく聞かれるデメリットとして、ピント合焦とパララクスという2つの問題があります。前者は小さいブライトフレーム内で二重像が合わせられるかどうか?という問題。後者はファインダーとレンズの位置の違いによる視差です。望遠になればなるほど、ファインダーで覗いている像と、レンズの入射光にずれが生じ、実際の写真との乖離が発生する現象です。しかし僕自身、この2点については、大きな問題にはなりませんでした。
なぜかというと、ピント合焦についていえば、開放F2.8であれば被写界深度もあり、合わせられる目論見がありました。これは事前にLeica M10-Rのブライトフレームを確認し、90mm画角でも問題なく合焦できるという確信を得ていました。また、パララクスについては、最新ボディであればライブビューも使えるため、構図の追い込みが必要な場面には、これを駆使すれば問題ないという判断がついていました。
僕が最大の不安に感じていたこと。
それは、Apo-Summicron M50mm F2.0と、棲み分けができるのか?ということでした。
同じ位置から撮った、アポズミクロン50mmのトリミングと、エルマリート90mmの写真。それぞれの描写を比べた際に、エルマリートの優位性は保てるのか?それが大きな悩みの種でした。
つまり、「もっと近寄りたいけれど、これ以上前に進めない」というシチュエーションにて。望遠レンズを使うのではなく、アポズミクロン50mmの写真をトリミングしたほうが、解像・描写性能が高いのなら、わざわざ望遠系レンズを使う必要がないからです。もちろんトリミング作業の手間はあれど、持ち物を減らすことを考えれば、アポズミクロン50mmの優位性はとても高く、一本で事足りてしまうという具合です。
上記のような「望遠系レンズ、アポズミクロンがあれば不要説」があったからこそ、これまで望遠系に踏み切れなかった。これが最大の理由かもしれません。
「アポズミクロン50mmのトリミング描写 vs エルマリート 90mmの標準描写」
どちらが性能が高いのか?
その検証については、また別の記事で検証したいと思います。
つづく。
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