SLその17:ライカユーザーのテザー撮影。Leica SL+Capture One導入のススメ

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Leica SL

スナップ最強カメラ「ライカ」。

旅行に。趣味に。ポートレートに。作品作りに。使う場面は数あれど、、スタジオ撮影や商品カットなどいわゆる商業ベースのプロの写真撮影の場にはあまり使われないのがライカだと思います。

そもそもレンジファインダーという特性上、パララクス(ファインダーとレンズの不一致)が発生しますし、最短撮影距離も多くのレンズで 70cmというのが構造上の制約です。

 

「撮れないものは、撮らない。」

 

この種の割り切りが必要というのが、ライカユーザーの宿命でもありました。

 

しかし、昨今。プロの撮影現場で使えない、というライカの概念は、過去の話になりつつあります。

Leica FOTOSを用いたテザー撮影をM11に対応したり、近接30cmまで寄れるApo-Summicron M35mm もリリースされたりと、レンジファインダーの既成概念を破り、積極的にプロのスタジオ撮影のフィールドにも進出する動きが見られます。中でも、そのムーブメントを席巻するのは、間違いなくミラーレス一眼のSLシリーズでしょう。初代Leica SLよりフェーズワン社のCapture Oneに対応したことで、スタジオ撮影の幅が一気に広がりました。

今回の主役はこのLeica SL。Leica SLをプロ用機材のように使い、スタジオ撮影を再現する方法についてご紹介します。

いまの時代、ライカでも国産機のように、ここまでのことが出来てしまうんです。

 

 

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まず、テザー撮影とは

テザー撮影とはなんだろう。

簡単にいってしまうとデジタルカメラとPCを接続して、シャッターを切るのと同時に、撮った写真をPC画面でも即時に表示することが出来るのがテザー撮影という撮影方法です。モデルを起用したり、商品カットを撮影したりするプロの現場では、クライアントチェックが必須になります。その場に同席している複数人に対して、撮れているかどうかの確認や、合意形成が、すぐに出来てしまうのは大きな強みといえるでしょう。

Adobeのソフトウェアや、カメラメーカー独自のソフトでも同じようなことができますが、転送の速度や、高度なレタッチにも対応できるという点では、Capture Oneが圧倒的です。

ライカでは2022年現在、Leica SLシリーズ(Typ601、SL2、SL2-S)と、中判フォーマットのS3が Capture Oneによるテザー撮影に対応しています。

 

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Leica SLで、テザー撮影を始めるまでの手順

では、具体的に、Leica SLでテザー撮影をはじめるまでの流れについて、丁寧に見ていくことにします。

CaptureOneによるLeica SLでテザー撮影

CaptureOneをダウンロード

まずは何より、Capture Oneをダウンロードすることから始まります。

Capture Oneは、サブスクリプションの月額・年額プランと、買い切りタイプの3種類が選べます。いずれを選んだとしても、お試し版として30日のトライアル期間が設けられています。ご自身の撮影スタイルや、お仕事のシチュエーションに合うかどうかを、しっかりと見極めることができるのは嬉しいポイントですね。

 

料金体系は、サブスクリプションプランが¥3,650/月と、¥27,219/年。買い切りプランは¥45,466となります(2022年8月現在)。

長く使うことを想定している場合には買い切りプランのほうがお得のように思えますが、Capture Oneは、おおよそ1年に1回の頻度でアップデートが行われ、サブスクリプションの「月額プラン」や「年間プラン」であれば常に最新のものを使えますが、買い切りは最新版を使いたい場合には、追加購入をする必要があります(それでも割安だと思いますが)。ご自身の環境に合わせて選ぶようにしてください。

また、特に急ぎでない場合、ブラックフライデーなどで、頻繁にセールが実施されていますので、何らかのセールのタイミングまで待つというのもおすすめです。過去40%OFFセールなども開催されていたこともあります。私も半年以上待ちました。

 

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トライアル版をダウンロードする際に、買っておきたい有線ケーブル

Capture Oneは、Wi-Fiや Bluetoothなどでのワイヤレス転送には対応しておりません。なので、有線ケーブルでカメラ本体とPCをつなぐ必要があります。有線ケーブルは、テザーツールズがおすすめです。本体が4.6mと長く、通常よりも太いケーブルであることと、目立つオレンジ色になっていて、スタジオなどでも足を引っかけるリスクが軽減されます。定番商品なので、一つ持っておいてもよいでしょう。

私の場合、PCは Macbook Air(2020 M1)を使っています。なので端子は、USB-Type C。カメラボディ側のLeica SLは、USB-Micro Bになります。こちらもご自身の環境をご確認の上、フィットするものを選んでください。

 

さて、では、実際に使ってみましょう。

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Capture Oneを使って、いよいよLeica SLでテザー撮影開始!

以下の順番で、Leica SLとPCを接続しましょう。

Leica SLとテザーツールズのケーブルを接続
  1. PC側で、Capture Oneを起動
  2. Leica SLのボディ本体から、SDカードを抜く
  3. テザーツールズのケーブルを、PCとカメラボディの双方に挿入
  4. Leica SL本体の電源をON
  5. USB接続モードが表示されるので、「PTP」を選択(「マスストレージ」はNo)
  6. 接続完了

以上の6ステップです。とてもカンタンです。

注意点としては、Leica SLのボディからSDカードを抜かないと、うまく連携できなかったことと、USBモードは「PTP」を選ぶようにしてください。これでCapture Oneにボディが認識されるはずです。

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いざ、テザー撮影へ

CaptureOne 『パラレルワールド』

このような形になれば連携完了です!

撮影された写真がすぐにPC側に反映されます。Leica SLボディの小さな液晶ではなく、PC画面に表示されるのはとても快適です。

まとめ。最後に、応用技TIPs

いかがでしょうか。

Capture Oneがあれば誰でも簡単にプロのような撮影体験をすることが出来るようになります。PC側で撮った写真がすぐに確認できるのはとても便利ですよ。

さらなる応用技として、MACをお使いの方であれば、MacBookをAppleTVやHDMIで接続することをおすすめします。これらのツールでMACの画面を出力することにより、近くのテレビや外部モニター、プロジェクターなどへ画面ミラーリングすることが出来るのです。

例えば、撮影現場において、チェックに関わる人が大人数の場合には、PC周辺が密になり、場所の争奪戦になってしまいます。Leica SLとMacBookは有線ケーブルで接続されているため、物理的に4.6m以上離すことが不可能です。

このような場合、PC画面をミラーリングする環境を整え、テレビや外部モニターへも即時共有することができれば、スムーズに撮影を進めることができるでしょう。

また、ZOOM等のオンライン会議ツールを用いて画面共有すれば、遠隔地にいる方々にも即時画面共有ができてしまいます。PCのスペックは上げておきたいですね。

いかがだったでしょうか。

Capture Oneを使うことにより、撮影の幅、表現の幅が大きく広がり、効率的な運用が可能になります。ライカユーザーのみなさんも、Lightroom派の方々も一度使ってみることをおすすめします。便利すぎて、戻れなくなりますよ。

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