①「24mm」 最短撮影 比較
まずは、広角端の24mmでどれだけ被写体に寄れるか。
被写体の同じ葉っぱにピントが合う位置を合わせて、位置を調整します。
左「VARIO-ELMARIT-SL f2.8-4/24-90mm ASPH.」と、右「SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN 」で、これだけの差が出ました。出てくる絵はどうなのでしょう?
右のシグマの描写がすごいです。まさにハーフマクロ! とにかく寄れちゃいます。このように圧倒的な近接撮影が可能です。
同じ被写体を撮ったにも関わらず、レンズ特性によってここまでアウトプットに差が生じます。やはり寄れるか否かは表現の幅を大きく左右します。
②「35mm」 最短撮影 比較
さて、続いて35mm。こちらではどうでしょうか。
35mmの比較。
ここでも一目瞭然。右のシグマの圧勝です。
左の「VARIO-ELMARIT-SL f2.8-4/24-90mm ASPH.」は先程の24mmよりは多少寄れたものの、まだ右のシグマには遠く及びません。なんとシグマは24mmよりも接写できているんです。
③「50mm」 最短撮影 比較
50mmの標準域では、どのような結果になるでしょう。
50mmの焦点距離でも、右「SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art」が勝利です。
左の「VARIO-ELMARIT-SL f2.8-4/24-90mm ASPH.」の方は、ここに来てようやく“接写”といえる描写に近づきました。
④「70mm」 最短撮影 比較
さて、最後に70mm。ここでついに両者の距離感がほぼ一致しました。
左の「VARIO-ELMARIT-SL f2.8-4/24-90mm ASPH.」が、はじめてシグマよりも接写の構図になっています。70mmでほぼ同等か、ライカのほうが僅かに逆転するようです。
⑤おまけ。90mm
この90mmという焦点距離は、VARIO-ELMARIT-SL f2.8-4/24-90mm ASPH.のみのショットです。
比較する相手はいませんが、先程の70mmよりも”寄り”の写真が撮れ、いままで最も拡大した写真といえます。
つまり、VARIO-ELMARIT-SL f2.8-4/24-90mm ASPH.は、ズーミングすればするほど、近接撮影時の表現が拡大される。ということが分かりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。最後にまとめて、ここまでの写真を一覧してみましょう。
すべて比較してみると、こんな感じ。
SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
VARIO-ELMARIT-SL f2.8-4/24-90mm ASPH.
「SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN」は、35mm >24mm ≒ 50mm >70mm。ライカの「VARIO-ELMARIT-SL f2.8-4/24-90mm ASPH.」は、90mm >70mm >50mm >35mm >24mmとシンプル。ズームすればするほど、被写体が拡大されています。
シグマで接写したければ35mm。ライカで接写したければ90mmが、最も倍率効果を得られる結果となりました。ライカは「接写したければ、ズームにしなさい」と言われているようです。
まとめると、
・接写対決では、シグマが圧勝
・70mmの焦点距離で、ほぼ両者同じ画角の描写が得られる
・ライカ バリオ・エルマリートは焦点距離90mmで、最も拡大率が高い接写効果が得られる。転じて、ズームするほど拡大図になる。
・対して、シグマは最も寄れた距離が焦点距離35mm。最も寄れない距離が70mm。つまり、ズームするほど寄れなくなる
ライカ 「VARIO-ELMARIT-SL f2.8-4/24-90mm ASPH.」のほうが寄れないという結果ではありましたが、どうでしょう?作品として、破綻していないのはどちらか。と問われたら、「VARIO-ELMARIT-SL f2.8-4/24-90mm ASPH.」のほうが、歪みもなく写真作品として完成された寄りができる。とも言えそうです。
標準ズームでとにかく寄りたいならシグマ。寄りはそこそこで上品な画作りを考えるならライカ、という結果となりました。
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