フィルムを取り巻く環境 2022年1月版
みなさん、
フィルム写真、撮ってますかー?
2021年の後半から2022年の初頭にかけて、富士フィルムの一部フィルムの生産終了。そして、Kodakの値上げ。
フィルムを取り巻く環境は、著しく悪化していると言わざるを得ません。
値上げはいまに始まったことではありませんが、コダクロームが4,000円を超える未来は予想をできていませんでした。
格安フィルムと言われていたKodakGOLDでさえも、1本1000円を超えています。
下図を見てください。AmazonのKeepaで、10本セットの値段の推移を表したものです。
これでみると、昨年11月頃では、10本6000円そこらであった値段が、この3ヶ月でから約2倍の12,000円近くに値上がりしていることがわかります。

製造工程と現像工程で、化学薬品がふんだんに使われ、地球環境保全やSDGsの観点から、逆境に立たされていると言わざるを得ません。
完全に時代に逆行しています。笑
現像代と合わせれば、いまやフィルム写真を撮るのにかかる費用は、現像代と合わせれば1枚50〜100円になるはずです。
それでもフィルムの描写が好きなんだ
先日の旅は、アポズミクロン+Leica M10-Rのいつものデジタル装備と、フィルムカメラ装備を持っていきました。
Leica M6とSummicron 35mm F2.0 ASPHのセットです。

どうでしょう?
フィルムと合わせた佇まいが、とてもかっこよくないでしょうか。
Leica M6とズミクロン35mmの組み合わせは僕の中では鉄板です。
機動力、ピント、描写、どれをとっても素晴らしいセットアップなのです。
フィルムは、露出とシャッタースピードなど、考えることが多いので、ピント合わせは考えずにできるという点で、35mmを使うことが多いです。
電車の車窓から、撮った一枚がこちら。

いかにもフィルムらしく。優しい描写です。
デジタルカメラでは、なかなかこういう写真は撮れないと思います。
僕は、フィルム写真は、光に向かって、シャッターを切ることが多いです。
太陽は白くとんでしまっていますが、シャドウはつぶれず残っています。 フィルムはこういう明暗差のある構図は苦手とされていますが、さすがライカレンズの性能の高さを感じさせます。
どちらがフィルムか、わかりますか?
さて、突然ですが、
クイズです。
以下の2枚の写真は、どちらかがフィルムで、どちらかがLightroomで加工したデジタルです。
ちなみにどちらもLeicaで撮ったものです。
どちらがフィルムで、どちらがデジタルか、あなたには分かりますか?答えは下に記載。
Aの写真(↓)

Bの写真(↓)

さて、どちらがフィルムかわかりましたか?
意外と難しかったのではないでしょうか。
正解は、
Aの写真が、フィルムです。
Leica M6とSummicron 35mm F2.0 ASPH の写真です。KodakのPro Image 100がノスタルジックな雰囲気を出しますね。
Bの写真は、Leica M10-RとApo-Summicron M50mm F2.0です。
Lightroomのフィルムプリセットを当て、ディテールを潰す処理をしています。
いくら似せたとはいえ、随所にデジタルっぽさが残っています。
たとえば、シャドウ部はフィルムは潰れてしまっているのに対して、デジタルは情報がしっかりと残っています。また、光のコントラストもしっかり・はっきりと写っていますね。
寄せることはできるけれど、フィルムを再現できるのはフィルムだけ。
予想外の写り方をする。
描写もさることながら、この予想外の化学反応がフィルムの魅力ですよね。
まとめ

値上げしたとしても、フィルムで撮り続けたい。
そう思います。
すべての写真をフィルムに1本化するのは難しいですが、デジタルとの共存は可能だと思います。
日常の記録写真は、デジタルLeicaで行いつつ、本当に残したい景色は、フィルムで。
フィルム文化を絶やさないためにも、撮り続けていきたいと思います。
コメント