【徹底検証①】ライカデジタルシリーズの色味を比較してみた[植物]編

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アポズミクロン

トップのサムネイル画像は、どの機種で撮られたものでしょうか?おわかりになりますか。答えは、この記事の文末で。

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ライカ機種別描写比較はじめます

  • ライカってどういう発色をするの?
  • ライカは機種によって違いがあるというけど、実際どうなの?
  • 自分にとって最適な機種が分からない。高い買い物なので失敗はしたくないし。。

  

・・・みなさん、そんなお悩み、お有りなのではないでしょうか。

 

これからライカを買おうか検討している人も、既にライカをお使いの方も、自分が持っていない機種の描写表現は気になるのではないでしょうか。私もその一人。ライカ購入を検討する人々の手助けになればと思い、手持ちのLeicaデジタルシリーズの描写の違いを比較検証するという企画をスタートします。

 

比較検証する機種は、LEICA M8、M9、M10-R、初代SL(typ601)のライカ4機種です(X1や過去M10シリーズは売却済みで手元にありません)。被写体の描写基準としてiPhone XS MAX、おまけでGR(初代APS-C)も合わせてご紹介します。M240、SL2、Qシリーズは私が所有をしていないため、残念ながら割愛します(ご協力いただける方いらっしゃいましたら、お待ちしています)。今回はあくまでもボディの検証なので、レンズは公平を期すために「Apo-Summicron M50mm F2.0」を使用しています。

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今回、ライカの描写検証する被写体はこちら

第一弾のテーマは、「植物」のグリーンです。

iPhone XS MAX

機種によって、発色がばらつきやすい「緑色」の検証です。撮影環境は、室内。窓からの自然光(曇天)と、室内照明(暖色3500K程度)のミックス光です。まずこちらがiPhoneで撮影したサンプル画像です。室内照明が白色の壁に照らされ、ややピンクっぽい発色をしていますね。今回の検証のテーマである葉っぱのグリーン色は、再現性がとても高いです。iPhoneおそるべし。機械学習の色味は、とても現実に近いです。その分、パンフォーカスでボケ感は感じられないのと、色表現もベタっと絵の具で塗ったようなややチープな印象を受けるのも事実。光の階調や、色のトーンが単一的です。

 

さて、いよいよ本題です。ライカの描写を検証したいと思います。設定による誤差を極力無くすために、ライカの4機種はすべて以下の条件に統一しています。

  • カメラ内 JPEG撮って出し(RAW無し)
  • lightroom現像は、コピーライト挿入のみ
  • レンズ Apo-Summicron M50mm F2.0
  • 絞りF値 開放 F2
  • ISO 200(旧機種は設定に無いためISO 160)
  • シャッタースピード 1/60
  • 手持ち撮影
  • 撮影距離 最短70cm
  • ホワイトバランス AUTO
  • 露出補正 ±0

 

このような設定です。

それでは、検証スタート!

 

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Leica M10-R

ライカで、まったく同じ環境で先程の植物を撮影したものがこちらです。

Leica M10-R Apo-Summicron M50mm F2.0 ISO 200

まずはLeica M10-Rから。いかがでしょうか。4,000万画素CMOSセンサーとアポズミクロン50mmの描写です。さすがにiPhoneと比べるのは酷ですが、シャドウがとても引き締まっていますね。少々アンダー気味に写っていますが、光や色彩のグラデーションもきれいです。全体的な印象として、やや暖色かつグリーンに寄った発色を感じます。ちょっとくすんだような独特な色味にも見えます。何枚か撮影し、すべて同じように写ったのでこれがLeica M10-Rのチューニングのようです。

 

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続いて、Leica M9

Leica M9 Apo-Summicron M50mm F2.0 ISO160

こちらLeica M9です。Leica M10-Rよりも輪郭がはっきりとし、線に力強さを感じさせます。さすが人気のフルサイズコダック製CCDセンサーといったところでしょう。画素数は1800万画素ですが、シャドウはさらに引き締まり、グリーンが青々しく出ています。トーンが最も暗く、ブルーに寄っている印象です。背面の白色の壁には、ピンク色の室内灯が落ちています。総じてコッテリ。実にLeica M9らしい、色彩豊かにな出来栄えに仕上がりました。Leica M10-Rと全く同じ被写体と環境で、同時刻帯で撮影しましたが、まるで別の環境で撮影したかのようですね。

 

 

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続いて、Leica M8

Leica M8 Apo-Summicron M50mm F2.0 ISO160

初代デジタルライカLeica M8は、また一味違ってきます。2006年発売のデジタルライカは、コダック製APS-HのCCDセンサーを搭載しています。フルサイズではないため、最短撮影距離で撮った際に、画角が異なりますので、やや寄りの画角になっています。焦点距離50mmのレンズは、35mm換算でおおよそ65-70mm程度になる計算です。画素数は1030万画素しかありませんが、いかがでしょう。コントラストがこれまでの2機種よりも薄めで、しっとりとした風合い。細い線。淡泊な色彩。少し暖色に寄った、まるでフィルムで撮ったような仕上がりです。いや、これ、十分ではないでしょうか。拡大トリミングこそ苦手ですが、今回の機種比較の中で、最も好きな描写かもしれません。

 

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Leica SL(typ 601)

Leica SL Apo-Summicron M50mm F2.0 ISO200

唯一のミラーレス一眼機 Leica SLは、2,400万画素のCMOSセンサー搭載です。いかがでしょう。一言で素直です。葉っぱの発色は、最もイエローに偏っています。しかし、背面の白色の発色は、どのライカよりもヌケ感のある白色です。クリアでとても爽やかな印象ですね。アンダーっぽく、艶めかしく写るMシリーズと打って変わり、ミラーレス一眼の初代SLは、現代っぽくチューニングされたような爽やかな描写をするようです。

 

いかがでしたでしょうか。最後に、Ricoh GRも参考に載せておきます。

 

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おまけ Ricoh GR

GR(APS-C初代) F2.8 28mm ISO 500

F2.8開放値のAPS-Cセンサーなので、F値や焦点距離が異なります。ライカのレンズと比較するのも少々難しいので、ご参考程度にRicoh GRです。少々アンダー目で、ライカと比べると少々物足りなさは感じますが、それでも頑張っています。色再現も豊かですね。背景の白色の壁は、ピンク色よりむしろ、オレンジに近い発色となっています。APS-Cとはいえ、さすが作品っぽく仕上がりますね。お値段が1/10にも満たないので、十分でしょう。

 

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検証結果

同じライカでも、発色の傾向・チューニングは、まったく別モノでした。

これまでも各機種の使用感や描写傾向が違うなーという実感は、肌感覚としてあったものの、ここまで精緻に検証したのは初めてでした。あらためて各機種の違いというものを可視化できたんではないでしょうか。

まずは第一弾ということで、植物のグリーンの発色を屋内ミックス光で検証するところからスタートしましたが、いろいろな条件で比べていきたいと思っています。ゆくゆくは、M10シリーズやM11。Q、SL2も交えて検証したいと思っています。

次回は同条件で、「赤色」の発色を検証します。

乞うご期待。

ちなみに記事上のクイズの答えは、「Leica M9」でした

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