沈胴ズミクロンを搭載したM8のかっこよさ

僕が最初に買ったライカ、「Leica M8」。
2016年の購入から、約3年間メインの機種として活躍した。(いまでも防湿庫に保管している)
沈胴ズミクロンとLeica M8。

なんてかっこいいんだ、、!! 昭和へタイムスリップしたかのような、まるでクラシックカメラそのものじゃないか。。
M8 ユーザーの僕が、沈胴ズミクロンにたどり着くまで
これから、ライカデビューするひとにとって、20万円そこらで買えるLeica M8というのは、(故障の問題を考えなければ)M型のエントリーとしては、ベターな選択肢だと思う。
そんなLeica M8の組み合わせとしてベストマッチなレンズが、フォクトレンダー社製の「NOKTON M35mm F1.4」 と純正ライカの「沈胴Summicron L50mm F2.0」の2本じゃないかと、個人的には思っている。
焦点距離が異なる2本のレンズを比べるのどうなのかとも思うが、僕はまさに、Leica M8を買ってすぐに、このNOKTONをチョイスした。
Leica M8はデジタルライカで唯一フルサイズを搭載しておらず、APS-Hセンサーということもあって、35㎜換算で約1.3倍の焦点距離となってしまう。つまり、35㎜→50㎜として、50㎜→75㎜として考える必要がある。
50㎜が最も使いやすい僕にとって、35mmの「NOKTON F1.4」 はちょうど50㎜のレンズとなる。将来的に機材がアップグレードしたとしても、そのまま開放F1.4の35㎜のレンズとして使えるし、それがわずか5万円程度で買える。まさにコスパ抜群だと思う。(その場合、結局フォクトレンダーじゃなくて、ライカの35㎜が欲しくなるのだが。)

そんなLeica M8デビューな僕からすると、「NOKTON M35mm F1.4」 には大分お世話になった。
と同時に、やはり湧いてくるのが、本物のライカレンズを試してみたい、という感情だった。
エルマー、ズミクロン、ズミルックスという王道ラインか。はたまた、広角のエルマリートか。最高ボケのノクチルックスか。解像度の鬼、アポズミクロンか。
けれど、現代のアスフェリカルレンズは、Leica M8の想定スペックをはるかに超えてしまっており、十分に性能を発揮できないのではないだろうか。
そんなふうに悩んでいたときに、たまたま店頭で巡り合ったのが、沈胴ズミクロンだった。数分後には僕の新たな仲間となっていた。
柔らかくもあり、解像度もある空気レンズ

浅草で雷門を撮ったときの作例。開放F2で撮影。
Leica M8独特の、黄色みかかった風合いもあって、ものすごく柔らかい描写。これぞオールドレンズ。開放F2付近では、ふわふわの描写を見せることがある。
50mmとはいえ、Leica M8では、75mmに近い使用感。望遠レンズになる。


これらの作例は、すべて開放付近で撮影した。
中心部の情報量は、さすがズミクロン。
ところが、F8程度まで絞ると、現代レンズにも負けない描写を見せる。まさに発売当時、空気まで写ると言われた所以がそこには確かに存在する。

発売から60年経ったレンズだからといってなめちゃいけない。「ズミクロン」という名は伊達じゃない。そう、これは間違いなく「ズミクロン」なのだ。
まとめ

1本でいろいろ楽しめる定番ライカレンズ。
エントリーモデルとしてもぴったりで、中古市場でも10万円しないくらいじゃないだろうか。他のライカレンズに比べて、お財布にも優しい。
絞り開放すればオールドレンズとしても楽しめるし、絞った場合の解像度は、その辺の最新レンズにも劣らぬ性能を発揮すると思う。特にLeica M8と組み合わせたときの描写は、フィルムのような柔らかさを見せる。
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