前回に引き続いて、Leica M10-Rと旧デジタルとの比較を、お送りしていきたいと思います。第二回となる今回は、同じ環境下で絞り値を絞った状態をお伝えします。
レンズはApo-Summicron M50mm F2.0を使用しています。
それぞれのボディでどのような差異があるのか?一緒に見ていきます。
前回の記事はこちらから。
Leica M9 +Apo-Summicron M50mm F2.0
絞りF4
絞りF8
絞りF16
まずは前回同様Leica M9からです。F4〜16です。
F4あたりからボケ味も薄くなっていきます。F16まで絞ると背景の観葉植物やレモンサワーまでしっかりと解像してくれているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。
被写体のガンダムは絞りF2同様はっきりくっきり解像していますが、F4あたりだとよりシャープに写ります。今回約1.1メートルの位置に被写体となるガンダムを配していますので、F16 あたりまで絞っても、パンフォーカスとはなっていません。
前回同様Leica M9はやや、シアンよりでしょうか?背景の白が若干くすんだ色をしているのは、CCDセンサーの発色によるものです。赤・青・黄はベタっという色味で出ています。
Leica SL +Apo-Summicron M50mm F2.0
続きまして、Leica SL初代のtyp601です。
絞りF4
絞りF8
絞りF16
ライカSLは、赤みがかったような色味を出しますね。マゼンダよりといえるでしょう。
最初のLeica M9と比べると、等倍でもLeica SLのほうが高精細にガンダムを描写していることが分かります。Leica M9のF16と、Leica SLのF4を比べても、ガンダムの情報量と解像度が、Leica SLのほうが上回っています。
これは1800万画素のCCDと、2400万画素のC-MOSセンサーの違いと言えそうです。6年の年代の差が、描写になって現れています。
絞りF16 あたりまで絞ると、完成された描写ですね。非の打ち所がありません。Apo-Summicron M50mm F2.0のレンズ性能が高く、2015年の発売であることを忘れてしまうくらい良い描写です。今回の3機種のなかで、最も現実に近い描写をしているように感じます。
Leica M10-R +Apo-Summicron M50mm F2.0
最後はLeica M10-Rです。
絞りF4
絞りF8
絞りF16
3機種のなかでは、Yイエローによった色味を出します。
等倍で比較するとLeica SLと、あまり変わらないように見えます。というか、若干ですが、Leica SLよりも地味な写りに見えないでしょうか?
なぜか?

拡大をしてみました。
左がLeica SL、右がLeica M10-Rです。F8同士の比較ですが、いかがでしょう。
こちらで比較してみると、エッジの白の反射の部分など、本当に細かい部分で差があることが分かります。Leica M10-Rが豊かな色調表現をしていると感じました。階調がなだらかなのできれいなグラデーションです。
一方で、Leica SLはコントラストが高い感じ。極端に表現すると、ハイライトが飛び気味で、シャドウが引き締まっている。パキッと締まって見えるのは、そういうことなのだと感じました。
Leica SLとLeica M10-Rどっちがいいかについては、好みによるところも大きいかと思います。このように2400万画素と4000万画素の違いはとても細かいところに現れますが、今回のように目を凝らしてみないことには、差は分かりにくいです。
Leica M9のような、大きな違いは見られないように思います。
まとめ
ボディの新型を買うのではなく、Apo-Summicron M50mm F2.0を1本買っておけば間違いない、という結論にも至ってしまいそうです。
無理して最新のボディを手に入れるのなら、ボディは妥協して、レンズを1本アポズミクロンにしておくほうが、幸せへの近道になるような気がしています。
近年のライカの買い方として、ボディは、下落が続いているLeica M10無印か、M typ 240あたりで妥協しておいて、レンズを価格上昇が止まらないApo-Summicron M50mm F2.0。これが良いシナリオです。ベターチョイスというかベストチョイスですね。
僕がまっさらな状態に戻れるのであれば、間違いなくそうすると思います(笑)
このサイトでは、ずっと言い続けているとおり、デジタルカメラのボディは家電製品です。電子部品もストックが無くなり、いつか修理不可という寿命が来ます。そうなった際にも古い機種ならば、精神的経済的ダメージも少なくて済みます。
そのころにはアポズミクロンの価格はもっと上がっているでしょうし、(ライカMレンズの場合)レンズはずっと使い続けられますから、数年後には高笑いができると思います。
アポズミいいわぁ〜
つづく。
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