皆さん、一度は考えたことであるだろうフィルム写真と、アポズミクロンM 50mm。
写りすぎない「フィルム写真」と、解像度の頂点に君臨する「アポズミクロンM 50mm」。この対極に位置するともいえる2者のドリームマッチ。
果たして、フィルムカメラにアポズミクロンM 50mmを組み合わせたとき、どんな化学反応が生まれるのか?
今回は、そんな疑問に応えるべく、Leica M6にアポズミクロンM 50mmをセットし、撮影を試してきました。

撮影条件など

今回、使うフィルムはAmazonで先日安価に手に入れることができた富士フィルムのリバーサルフィルム『Velvia 100』です。
2022年10月現在の価格で、36枚撮りのリバーサルフィルム約1,800円。現像代も同じく1,800円程度。合計で約4,000円です。ちなみにスキャナーは自宅のEPSONを用いておりますので、スキャニング費用は0円ということです。
撮影の舞台は、曇天の江之浦測候所です。
Leica M6 × アポズミクロンM 50mm × Velvia100の描写
まずは、こちらの蜘蛛の巣の写真から。

いかがでしょう。
非常に細かい蜘蛛の糸まで、描写できているのがお分かりになりますでしょうか。フィルムならではの柔らかさがあるので、デジタルのようにはいきませんが、それでもはっきりと細かい線まで描写ができていますね。デジタルで見せるキレッキレの超解像度という描写にはならず、どこかフィルムの優しさを感じる写真になりました。

江之浦測候所の名スポット。
Velviaの発色がとてもきれいです。
進入禁止のオブジェクトにピントを合わせてますが、絞っているためほぼパンフォーカスです。空と海の境界線は曖昧。解像するけど写りすぎない。そんな仕上がりです。

シャッターチャンスに巡り合うことも大事。鳥が横切る瞬間を、咄嗟に捉えました。
フィルムなので連射はできず、一発勝負です。
よく見ると、右側の葉っぱの一枚一枚がきれいに解像していますね。これは高解像度レンズのおかげかもしれません。
撮っていて楽しいフィルム。仕上がりをみて2度楽しい。

フィルムカメラは一球入魂で、撮っているときにデジタルと違う楽しさがありますが、それと同じくらい現像から戻ってきた際の楽しみがあります。リバーサルフィルムだとその喜びもひとしお。
その一瞬をフィルムに閉じ込めたような、美しい仕上がりです。
さて、検証結果ですが、Apo-Summicron M50mm F2.0をフィルムで使うと、デジタルのときのような超解像度を見ることができませんでした。それでも仕上がった写真はとてもきれいで、十分な完成度でした。
ひとつ、今回EPSONのスキャナーで4800dpiでスキャンを試みましたが、やはりフィルムネガをスキャンしている工程が加わっている分、レンズ特性を最大限活かせていない可能性を否定できません。
ですので、最終的にはネガから印画紙に焼いた写真の検証が必要だと思いました。
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