シャッターレリーズ。
みなさんは何をお使いでしょうか。
無着用。ライカ純正。サードパーティー製…。こだわりのライカをお使いの方であれば、きっと、こだわりのシャッターレリーズやホットシューがあるのではないでしょうか。また、ライカのカスタマイズとして、個性を発揮できる「遊び」の部分であるともいえましょう。
今回は、そんなシャッターレリーズと、ホットシューについて、僕のおすすめのご紹介です。
真鍮であるライカの魅力
前提として僕は、「真鍮」という金属にとても愛着とこだわりがあります。
ライカのボディは、真鍮製です。
真鍮について軽く触れておくと、銅と亜鉛の混合金属で、亜鉛が20%以上含有されたものを指します。5円玉に使われる金属といえば、なじみがあるでしょう。真鍮の魅力は、ズバリ、経年変化によるエイジングです。Leica M9やM240のボディは、塗装が剥げると金色の素地が露出しますが、あれもまさにエイジング。革製品のカバンや靴などにも通じる哲学がそこにはあると思います。
いくつもの時代を乗り越え、モノとしての変化を楽しんでいく、こういう楽しみがライカのボディにはあると思うのです。ですので周辺部品も、できることなら真鍮製のもので統一したい。
(Leica M11はアルミ製ということで、個人的に残念です。)
「なにがし」とは?
そんな「真鍮」という金属を使ったアイテムを、多数展開するメーカーが「なにがし」さんです。デザイナーの山崎義樹氏によって立ち上げられたプライベートブランドです。
「なにがし」は、全国各地の手工業メーカーと共同で作り上げる生活道具のブランドです。「なにがし」という言葉の意味のよう、手工業ゆえに大量生産は出来ず、「なにがし」という言葉の意味のよう、物事や場所に捉われることなく、常日頃、生活の片隅に寄り添えるような生活道具を作り続けていきます。
なにがしHPより引用
こだわりの真鍮製のアイテムを、職人さんの手によって作っているメーカーです。意気込みがひしひしと感じられ、とても大好きなブランドです。
この「なにがし」さんから、ライカに使えるシャッターレリーズボタンと、ストロボホットシューが作られているんです。オンラインでも購入可能ですが、新宿の北村写真機店さんでも取り扱いがあります。1点1点つくられているので大量生産ができないということで、購入を検討されている方は早めがおすすめです。
購入した「なにがし」製の真鍮シャッターレリーズボタンと、ホットシューがこちら。


今回購入したのは、「銀色」のモデルです。
重厚感、加工精度、色合い・・・とても精密に作られています。
比べるのもなんですが、Amazonで購入した中華製の真鍮レリーズと、雲泥の差です。
今回なぜ、銀色を購入したのか?といういうと理由がありまして、ポイントは2点です。
①銀色がいちばん手間暇かけて作られている点。そして、②オールドレンズとの色合いがバツグンだった点です。
銀色のこだわり
まず、銀色というカラーです。
「なにがし」のラインナップは金、黒、銀の3色展開です。価格を見てみると、金色が3,960円(税込)に対して、黒色・銀色が4,950円(税込)と、一見すると銀色は高いように見えます。しかしながら、3色にはその製造工程の違いがあって、銀色は最も工程に時間がかかるということなんです。
3色の製造工程の違い
- 金色(素地)
- 黒色(素地+黒ペイント)
- 銀色(素地+黒ペイント+銀ペイント)
上記のように銀色は、金色の素地に、黒色を乗せ、さらに銀色のペイントを乗せています。
染め(ペイント)の工程があるため、黒色と銀色のほうが、製造コストがかかっているそう。そして銀色は、最もプロセスが多いのに、黒色と銀色の値段が同じということで、まさにお買い得ということなんですね。
さらに銀色は、経年変化にも特徴があります。
一番外側の銀色の塗装が剥げてくると、下地の黒色が露出し、さらに使い込むと真鍮の素地の金色が露出してきます。3色のなかで最もエイジングを楽しめるカラーになっています。
新宿の北村写真機店で実物を見せてもらいましたが、銀混じりの黒色に、角から金色が露出している姿がとてもかっこよかったです。実物をみて、購入を即決しました。
ちなみにホットシューも製造工程は同じだそうです。
銀色の「なにがし」を装着したM9がこちら
2点目のオールドレンズとの組み合わせは、論じるより、見てもらったほうが早いと思います。


いかがでしょうか。かっこよすぎると思います。
先ほど言ったように、使い込むにしたがって、ボディと同色の黒色に変化してきて、さらに使い込むと素地の金色が露出するんです。買った瞬間からカッコいいのはもちろんのこと、これからの経年劣化も楽しめるというアクセサリです。
まとめ
結論、「なにがし」の真鍮シャッターレリーズ、ホットシューは最高でした。
ボディに100万円をつぎ込むことを厭わないライカユーザーからすれば、5,000円で自分色のカスタマイズが出来るのは、とてもお得なんじゃないでしょうか。オリジナルのライカが出来た気がして、ライカへの愛着が増すこと、まちがいなしです。
お気に入りのライカを、自分好みにカスタマイズして、楽しんでみるのはいかがでしょう。
コメント
こんにちは、いつも記事を楽しく拝見しています。
こちらの記事を読んで私もM9用になにがしさんのホットシューカバーを購入したのですが、ホットシュー内のピンに干渉して奥まで差し込めませんでした。
ブログ内のお写真だと奥まで差し込めているように見えるのですが、何か加工したり工夫されたポイントはありますでしょうか?
素敵なカバーなので諦めきれず……。
教えていただけましたら幸いです。
よろしくお願いします。
ふじさま、コメントありがとうございます。
なにがしさんのホットシューですね。
真鍮で作りもしっかりしてて、とても良いアイテムですよね。
明確にお答えが出来るわけでは無いのですが、Leica M9のホットシューには円柱の出っ張りのようなものがり、そこと干渉してしまうような状況でしょうか。
私の使っているホットシューでは、ちょうど凹のような切れ込みがあり、M9でもピタッと奥まで収まっております。
Leica M10シリーズには、ボディ側の出っ張りがなくなっているので、もしかするとご購入された最近のものでは、メーカーさん側でも、マイナーチェンジがあったのかもしれません。
(ちなみにLeica M10シリーズ用に買った純正サムレストや、付属のホットシューは、出っ張りに干渉してLeica M9では使用できませんでした。)
YUさま、ご返信ありがとうございます。
おかげさまで解決しました。
私のカバーにも凹のような切れ込みがあるのですが、それでも円柱の突起に少しだけ干渉してしまい、奥まで差し込めない状態でした。
しかし、YUさまがお持ちのカバーと同じ型なら奥まで差し込めるはずだ……とホットシューを再びよく観察したところ、円柱の頭(ネジ頭)が潰れて少し盛り上がっていることに気づきました。この盛り上がりの分だけ円柱の背が高くなり、カバーに干渉していたようです。
そのため、円柱を抜き取ってしまうことでとりあえず解決しました。
(前のオーナーさまが誤って潰してしまったのだと思います)
カバーを加工することなく装着できることを教えていただいたおかげで、諦めることなく解決することができました。
ありがとうございました。
最後になりましたが、これからも記事を楽しみにしております!